コロナ禍におけるホテル・旅行業界の業績悪化について
新型コロナウイルスによって、様々な企業が大きなダメージを受けています。中でもホテル・旅行業界のダメージは深刻となっています。コロナ禍の業績は、新型コロナウイルスがまん延する以前と比べて半分以下に落ち込んでいる企業も珍しくありません。ホテル・旅行業界はコロナ禍において、どのように進んでいけばよいのでしょうか。
コロナ禍におけるホテル・旅行業界の業績
新型コロナウイルスがまん延する以前も、ホテル・旅行業界は、予約サイトやネット専門の企業などのライバル企業との競争によって、体力が徐々に削られている状況でした。そのタイミングで新型コロナウイルスがまん延によって、個人利用者の激減だけではなく、法人利用者や団体利用者の需要を大きく減らすことになりました。
2020年だけでなく、2021年の一年間も新型コロナウイルスによる需要の減少は続きました。特に客単価の高い海外旅行などの制限によって、大きく業績を悪化させた企業が続出しました。2021年の夏以降になると、徐々に感染者数が減少し11月には、国内旅行をする方が増えてきました。2021年の年末、そして2022年の年始にかけては、海外での感染者は過去最高を更新していましたが、国内では低い感染者数を維持していましたので、ホテル・旅行業界は一旦落ち着くことができました。しかし、2022年の1月中旬にもなると、オミクロン株が猛威を振るいはじめ、日本全国で過去最大の感染者数が記録されるようになり、ホテル・旅行業界に再び暗雲が立ち込めるようになりました。
国が行ったホテル・旅行業界への支援や対策
コロナ禍において、最もホテル・旅行業界の追い風となったのは、2020年7月に行われた「Go Toトラベル」です。このGo Toトラベルによって、新型コロナウイルスによって業績が悪化していた企業の多くが救われ、倒産や廃業する企業の数を減らすことに成功しました。その後もGo Toトラベル事業は行われる予定でしたが、国内の感染者数が増加したことをうけ中止となっています。
また、新型コロナウイルス感染症特別貸付によって息を吹き返した企業も多く見られました。この新型コロナウイルス感染症特別貸付とは、国民事業に最大8000万円、中小事業には最大6億円までの融資を受けることができる制度です。融資金額は無担保、低金利で利用することができました。
帝国ホテルの試み
帝国ホテルは、他の国内ホテルと同様に緊急事態宣言が発令されて以降は、大幅に宿泊者数が落ち込みました。最も多い時で前年同月と比べて60パーセントも落ち込んだそうです。そこで帝国ホテルがはじめたのが、サービスアパートメントサービスです。サービスアパートメントサービスは、賃貸住宅とホテルの両方のメリットを合わせ持ったサービスとして注目を集めています。
サービスアパートメントサービスは、帝国ホテルが持つ一流の家具や家電のある部屋で生活することができるサービスです。もちろん清掃サービスやコンシェルジュの利用も可能となっています。ホテル内のフィットネス施設も無料で利用することができます。従来のホテルでの宿泊とは違い、キッチンを利用して自炊をすることができたり、洗濯機や乾燥機を利用して自分で洗濯できたりもします。帝国ホテルのサービスアパートメントサービスは、月額360,000円となっていて、この金額にはサービス料も消費税も含まれているそうです。